コロナも手伝って目まぐるしく働き方が変わっている世の中ですが、どんな能力を育てておけば激動の変化にのまれずにいられるのでしょうか。
また、自分らしく、あとから振り返って後悔がない仕事をするためには仕事に対してどんなスタンスをもてばいいのでしょう。
今回は筆者が実際に仕事に向き合う際に何度も読み返して参考にしている5冊を紹介します。
*時間がない人向けにコンパクトに内容がまとまっている動画をできるだけつけました。どれも本を追加で買う価値はあるので、動画を観て特に興味をもったものは本を読むと実際身につきやすいと思います*
この本を読んだかが結果を分ける!『WHYから始めよ!』
TED史上もっとも多くダウンロードされた動画のひとつとして世界中で有名になったサイモン・シネック氏の本です。
「人はあなたが何をしているかよりもなぜそれをしているかを見ていて、そのなぜをしっかり持つのが重要」だと説いています。
筆者のこの本を起点に事業を構想していますし、自分のバイブルとして何度も読み返しています。
動画の内容がとても良いうえにコンパクトで、事例もアップルが中心なので日本人にとっても分かりやすいです。
「これを観ると本まで買わなくていいかも」となりがちですが、本にたくさん紹介されている事例を読み進めるうちに「なぜ」から考え始める癖がつきます。
自分のWhyがわかればそれが軸となり、
自分の「Why」に沿っていない、つまり「自分らしくない行動をすると一貫性がなくなり、結果がついてこない」と分かったときは「なるほど!」と思いました。
なにもWhyが特別でなくてもOKで、
「私は留学のためにお金を貯める。だから今の仕事をする」というWhyが決まっていれば、それに沿った行動(What)はブレないで済むはずです。(お金が減る会社の飲み会は行かなくても理解されやすかったり、逆にお金が入るなら残業はしたいかもしれないと声がかかりやすくなるかもしれない)
パフォーマンスにもっとも影響するEQを養う『EQ2.0 心の指数を高めてくれる66のテクニック』
ある程度自分がなぜ働くのか軸が出来たうえで、もっとも自分の仕事のパフォーマンスを上げるには、
EQ(Emotional Intelligence Quotient)を培うのが近道。
EQとは「こころの知能指数」と訳され、IQ「知能指数」と比較され、
「自分の感情のコントロールを適切にできる能力」がパフォーマンスに大きく影響します。
IQは先天的な要素が多いなか、EQは後天的にも指数を増やせる特徴があり、仕事で成果をあげるのには実はIQよりEQが高い人のほうが達成しやすいことが分かっています。
そのEQを増やしてくれる助けになるのが『EQ2.0 心の指数を高めてくれる66のテクニック』です。
著者はEQテストやトレーニングプログラムを提供するTalentSmart社の共同創業者のTravis Bradberry氏。
EQの高い人の特徴としては:
- 人に共感できるし、共感されやすい
- 落ち着いていて、なにごとにも柔軟に対処できる
- 聞き上手で話しやすい
- 自分のことを深く知っていて感情を適切にコントロールできる
本ではこれらの能力を高めてくれるテクニックを身につけるテクニックが紹介されている、あのメンタリストのDAIGOさんも推薦している本です。
現代で求められる能力を教えてくれる『GIVE & TAKE 与える人ほど成功する時代』
EQを高めて感情をコントロールし、どう行動に落とし込んでいくのかを教えてくれるのが「Giverになる」こと。
心理学でもっとも著名なアメリカの大学のひとつである、ペンシルバニア大学・ウォートンスクールの組織心理学を専門とする心理学者、Adam Grant氏が提唱しています。
Adam Grantは『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』や『Lean in 女性、仕事、リーダーへの意欲』で有名になったSheryl Sandbergの共同著書『OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び』など、ヒット本を連発しています。
仕事が一番うまくいくひとも一番うまくいかない人も「与える人=Giver」だったーーー。
これが彼のヒット作の中でもまずは『GIVE & TAKE 与える人ほど成功する時代』を読んで欲しいと思う驚きポイントです。
仕事で結果を出すひとは、損得を横において行動し他者貢献ができる人。
でも下手をするとただのお人好しになってしまうので注意が必要。
「使い捨てられるGiver」ではなく、「成果を出していくGiver」になるための考え方も教えてくれる一冊です。
仕事を粘り強く行えるようになる『GRIT やり抜く力』
ペンシルバニア大学の心理学者のAngela Duckworthが書いた『GRIT やり抜く力』ーーー。
EQが身について感情のコントロールができるようになってきたら、
あとはやるべきことをこなしていくだけです。
結果を出すには「行動と継続、PDCAをまわす」ことが必須なのは誰もが知っていることです。
でも行動をしたとしても、なかなか続けられないものです。
この本では「結果を出す人はGRITTY(やり抜く力をもっている)人」だと提唱しています。
具体的なポイントを集約すると:
- 興味があることに打ち込む
- 失敗を恐れないで行動を続け、粘る
- 成功までの行動を分割する
- GRITTYな人と付き合う
なのですが、この本を読むとどうすればGRITTYになる仕組みをつくれるかを教えてくれます。
人間関係の難しさを解決する『嫌われる勇気』
なるべく本の数を絞ろうとしたのですが、最後に敢えて+改めてオススメしたいのはこの本です。
- 自分はなんのために働くのかが分かり、
- 与える「Giver」になり、
- EQを高めて自分の感情をうまくマネジメントし、
- 挫折しそうな壁にぶつかってもやり抜ける能力をつける。
「上記の4つにしっかり向き合えば結果はついてくる」と思いますが、
最後に浮かんだのが『嫌われる勇気』でした。
というのも上記の4つを阻害するものがあるとしたら、人間関係だと思うからです。
- 目的なく食べるためにだけ働いている人
- Giverを利用して自分が得しようとしてくる人
- 頑張っている人の足を引っ張る人
- 人間関係が大きな壁になること
よく出くわすでしょうし、どの組織にいても少なからず弊害はあります。
その中でも前進していくには、
『嫌われる勇気』に書いてある「課題の分離」が重要。
自分の課題は自分のもので他人に関与させない。
他人の課題は他人のもので、必要以上に関与しない。
その嫌われる勇気が自分らしく生きられるかを決めます。
著者はアドラー心理学の研究者である岸見一郎氏です。
コロナが働き方を見直すきっかけになっている
コロナでテレワークが進み、チームが同じ現場にいないことで今まで以上に従来の働き方や能力だけでは働きづらい世の中になってきています。
こんなときこそ、自分の目的意識を見直し、リモートでも最適な仕事へのスタンスや人間関係の発展を可能にする能力を養うことに、今日の5冊を役立ててみてください!